オフィシャルテスト~マーベリック・ビニャーレス1番手

チャンピオンマシンを初試乗したマルク・マルケス4番手。ドゥカティ、KTM、アプリリア、ヤマハ、ホンダがウインターブレイク前にニューアイテムを検証

プレミアクラスは28日、最終戦バレンシアGPが開催されたサーキット・リカルド・トルモでオフィシャルテストを開催。5メーカー、11チーム、21人のレギュラーライダー、2人のテストライダーが来季2024年シーズンに向けて、本格的な準備を開始した。

新天地からのテストデビュー

11年間所属したレプソル・ホンダ・チームからグレシーニ・レーシングに移籍するマルク・マルケスは、ホンダ機からヨハン・ザルコが使用した2023年型のドゥカティ機を初試乗すると、8度のランで49ラップを周回し、トップタイムから0.171秒差、ドゥカティ勢の1番手から0.078秒差の4番手に進出。

2019年から5年間ヤマハ機を駆けたフランコ・モルビデリは、ヨハン・ザルコが使用した2023年型に更新されたテールユニットとエアロが備えたドゥカティ機に乗り込み、10度のランで69ラップを周回し0.953秒差の16番手。

(テールユニットとエアロは、シーズン終盤に3人のファクトリーライダー(フランチェスコ・バグナイア/エネア・バスティアニーニ/ホルヘ・マルティン)に投入され、今回のテストでフランコ・モルビデリが試す機会があったが、信頼性とパフォーマンスに若干の問題があり、マネジメントが困難なことから、サテライトチームに所属するマルク・マルケス、マルコ・ベツェッキ、アレックス・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオへの供給は見送られた。)

グレシーニ・レーシングからムーニー・VR46・レーシング・チームに移籍するが発表されたばかりのファビオ・ディ・ジャンアントニオは、2022年型から2023年型にスイッチして12度のランで60ラップを周回し0.409秒差の7番手。

先陣を切って、誰よりも早くトラックに飛び出したルカ・マリーニは、ドゥカティ機からホンダ機に乗り換え、14度のランで72ラップを周回して0.703秒差の10番手。

2019年の終盤3戦にLCR・ホンダから参戦経験があるヨハン・ザルコは、3年間乗ったドゥカティ機からホンダ機に乗り換え、56ラップ目の4コーナーで転倒を喫したが、11度のランで61ラップを周回して1.030秒差の17番手。

1年間のサテライトチームを経て、2年ぶりにファクトリーチームに戻ることになったアレックス・リンスは、V型4気筒エンジンのホンダ機から並列4気筒エンジンのヤマハ機に乗り換えると11度のランで54ラップを周回して1.311秒差の19番手。

中量級王者ペドロ・アコスタはKTM機を初試乗。66ラップ目の2コーナーで転倒を喫したが、10度のランで70ラップを周回して1.223秒差の18番手だった。

ドゥカティ

若干の改良が加わった新型シャーシと新型エンジンを3人のファクトリーライダーに供給。『MotoGP™』で3人目となる2連覇を達成したフランチェスコ・バグナイアは、11度のランで51ラップを周回して0.717秒差の11番手。相次ぐ負傷で厳しいファクトリーチーム1年目となったエネア・バスティアニーニは、10度のランで56ラップを周回して0.543秒差の8番手。

総合2位を獲得したホルヘ・マルティンは、12ラップ目に転倒を喫したが、13度のランで51ラップを周回して0.899秒差の15番手。

総合3位マルコ・ベツェッキは、2022年型からチャンピオンマシンの2023年型に乗り換えると13度のランで62ラップを周回して0.093秒差の3番手。ドゥカティ勢の最高位に進出すれば、ホンダ機からドゥカティ機に乗り換え、総合17位から総合9位に浮上したアレックス・マルケスは、12度のランで56ラップを周回して0.385秒差の6番手。

KTM/ガスガス

テストライダーのダニ・ペドロサとライダーコーチのミカ・カリオがレギュラーライダーたちをサポート。ファクトリーライダーの2人が細かい作業に取り組みながら、午後に新しいエアロボディとエアインテークを検証。

ブラッド・ビンダーは、10度目のランとなった52ラップ目の5コーナーで転倒を喫したが0.028秒差の2番手。ジャック・ミラーは、12度のランで62ラップを周回して0.648秒差の9番手。

新人王を獲得したアウグスト・フェルナンデェスは、次回のオフィシャルテストで新車が投入されることから、今回のテストでは、ファクトリーライダーが使用したリアウィングが搭載された2023年型を継続使用し、12度のランで72ラップを周回して0.824秒差の14番手。

アプリリア

最終戦でアプリリア加入後初めてポールポジションを獲得したマーベリック・ビニャーレスは、新しいスイングアームを試す機会があり、19度のランで最多86ラップを周回して1番手に進出。

第19戦カタールGPの転倒で左脚(腓骨頭部)を骨折したアレイシ・エスパルガロは、2度のランで8ラップを周回した後、スタート練習を繰り返してテストを終了させ、精密検査のために、バルセロナ市内の病院に向かった。

サマーブレイク以降右肩上がりにパフォーマンスとリザルトを向上させたラウール・フェルナンデェスは、2023年型を試す機会があり、13度のランで64ラップを周回して0.263秒差の5番手に進出。

第19戦カタールGPで右肩を負傷したミゲール・オリベイラの代役として最終戦に参戦したテストライダーのロレンソォ・サバドーリもテストに参加して27ラップを周回。

ヤマハ

11週間前のミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催されたオフィシャルテストで投入したエンジンの改良版を準備。

大型の新しいウィングを試す機会があったファビオ・クアルタラロは、11度のランで63ラップを周回して0.769秒差の12番手。開発を担当するテストライダーのカル・クラッチローは、テストサーキットに指定していない当地でテストプログラムを継続。

ホンダ

2023年型に加え、前回のオフィシャルテストで投入したプロトタイプマシンとシャーシ、スイングアーム、エクゾースト、エアロが新しくなった新車を準備。

フリープラクティス1の転倒で首を痛めたことから週末を欠場したジョアン・ミルは、チーフクルーを含め、新たなクルーメンバーと共に始動すると、13度のランで69ラップを周回して0.769秒差の13番手。ホンダ勢の中で最もホンダ機の経験がある中上貴晶は、10度のランで63ラップを周回して1.723秒差の21番手だった。

オフィシャルテスト日程

第21戦マレーシアGPの開催地ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで2月1日から3日間のシェイクダウンテスト、2月6日から3日間のオフィシャルテストを実施。

開幕戦カタールGPの開催地ルサイル・インターナショナル・サーキットサーキットで2月19日から2日間のオフィシャルテストが計画されている。