ペナルティを科すのは誰か?

チャンピオンシップ75年目のシーズン序盤に話題となっているペナルティに関して簡潔に説明

チャンピオンシップの正式名称は『FIM MotoGP™ World Championship』。『FIM』は『Federation International de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)』の略称であり、世界選手権の主催者。

世界選手権の競技規則及び技術規則を作成するのは、『FIM』、『IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟)』、『MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)』、ドルナスポーツの代表者たちで構成される『Grand Prix Commission(グランプリ委員会)』であり、違反がある場合、『FIM MotoGP Stewards Panel(スチュワードパネル/審査委員会)』が裁定を下す。

スチュワードパネル』は3人で構成され、委員長は『IRTA』によって指名され、現在は最高峰クラスで2回、中量級で1回のタイトルを獲得した元王者のフレディ・スペンサーが務め、2人の委員は『FIM』によって指名される。

・ フレディ・スペンサー(委員長/国際ロードレーシングチーム連盟指名)
・ アンドレス・ソモリノス(国際モーターサイクリズム連盟指名)
・ タマラ・マトコ(国際モーターサイクリズム連盟指名)

チャンピオンシップの商業権を所有するドルナスポーツは、シーズン開始前に『FIM』と『IRTA』によって指名された『スチュワードパネル』のメンバーを承認する必要があるが、懲戒決定に関与したり、罰則を科したりすることはない。

スチュワードパネル』は、規則に従って、全てのインシデントを確認し、ペナルティを適用するかどうか、及びそのペナルティをどうするかを決定する。ペナルティが適用された場合、場合によっては、ライダー/チームは控訴することが可能。

控訴した場合、ペナルティとインシデントは、『FIM』のサーキットレーシング委員会のメンバーで構成される2人の『FIM Appeal Stewards Panel(アピールスチュワードパネル/上訴審査委員会)』によって審査される。メンバーは、国際モーターサイクリズム連盟に加盟する国内連盟を代表するメンバーで構成され、シーズンを通じて、ローテーションされる。

・ ラルフ・ボーンホルスト
・ ラファエレ・デ・ファブリティース
・ ピーター・ゴダード
・ スチュアート・ヒッグス

FIM Legal Director(国際モーターサイクリズム連盟法務部長)』は、『控訴裁判所』を構成する裁判官を任命。証拠が収集され、事案が審理されると、『控訴裁判所』は決定を下す。

ただし、『アピールスチュワードパネル』は、「正当な理由で処理することが不可能であると思われる場合」、その事案を『MotoGP™ Court of Appeal(コートオブアピール/控訴裁判所)』に付託することも可能。

FIM Legal Director(国際モーターサイクリズム連盟法務部長)』は、『控訴裁判所』を構成する裁判官を任命。証拠が収集され、事案が審理されると、『控訴裁判所』は決定を下す。

チームまたはライダーは『控訴裁判所』の判決を受け入れない場合、最終的な手段は、『CAS』こと『Court of Arbitration for Sport(スポーツ仲介裁判所)』に持ち込むこむ。これは外部の裁判所であり、『FIM』によって裁定されない。

 

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